この記事では、セールスレターを読んでいる読者がついつい商品やサービスを欲しくなってしまうセールスライティングをする時に基本となる11個の心理テクニックを解説します。
世の中には多くの心理テクニックがありますが、今回は僕がセールスレターを書く時に実際に使用する頻度が高く、セールスレターを書く時に使いやすいと思うものを11個ピックアップしました。
セールスレターのライティングは心理学のテクニックは知っているのと、知らないのではコンバージョン率に大きな差が出ます。セールスレターやランディングページの制作を書く機会がある方に参考になれば幸いです。
また、これらの心理テクニックは詐欺や悪質な情報商材の販売でもよく使用されています。そのため、その手法を知っておくだけでも悪質な商品やサービスに騙さないようになります。
効果絶大の心理学のテクニックなのでくれぐれも悪用は厳禁です。
なぜセールスレターには心理学が必要なのか
セールスレターに心理学が必要な理由は、セールスレターは読者を行動に促すことが目的だからです。
ブログなどコンテンツライティング(SEOコンテンツ)では、検索キーワードの検索意図にマッチした解決策を提示することが求められます。
例えば「ダイエット 方法」で検索する人は、ダイエットをしたくて痩せる方法を探しているといったイメージです。そのため、ブログの場合はダイエットの方法を提示している記事が良い記事ということになります。
一方でセールスレターには、必ずCV(コンバージョン)=ゴールや目的があります。セールスレターは読者に商品やサービスの購入へ、ランディングページはメールマガジンやLINE@への登録、お問い合わせや資料請求などへ誘導することが目的です。
そのため、ただ情報を羅列するのではなく、読者をゴールへ導くようにライティングする設計をする必要があります。そこで読者をゴールへと誘導する際に必要なのが心理学のテクニックなのです。
セールスレターでは自然と心理学のテクニックを使用することで、最後まで読みたくなったり、商品やサービスを買いたくなったりと、読者を行動をコントロールすることができます。
コントロールというと悪いことのように聞こえますが、心理学は立派なセールスのテクニックです。
世の中にある広告や宣伝は、心理学のテクニックが自然と混ぜ込まれており、私たちも知らないうちに心理的に行動をコントロールされていることも多いのです。
最後まで読んでもらうための心理学
まずはセールスレターを最後まで読んでもらうために使える心理学からご紹介します。どんなに素晴らしいセールスレターを作っても、最後まで読んでもらえなければ意味がありません。
セールスレターや広告において、最も避けたいのは読まれないことです。その読まれないリスクを軽減する心理学からみていきましょう。
1.滑り台効果
滑り台効果とは、最初の文章を読むと、次の文章もつい気になって読んでしまう現象のこと。
滑り台のように文章を読み進めてもらうためのテクニックです。タイトルは最初の一行を読んでもらうためにあり、最初の一行は次の文章を読んでもらうため書くことが大切です。
これはクリフハンガーとも呼ばれ、続きを読みたくなるように全てを教えずに興味をそそるところで止め、続きを誘導するようなライティング手法です。
- たったの2日で簡単に〇〇できた意外な方法とは…
- 高卒の私が〇〇になるまでに行ったこと。それは…
きっと、こんなタイトルや見出しで始まるセールスレターや広告を見かけたことがあるはずです。
優れたセールスレターは、自然と次を読みたくなってしまうように構成されています。知らないうちに最後まで読み進めて、最後はコンバージョンしているという流れです。
2.カリギュラ効果
カリギュラ効果は、人は禁止されるとやりたくなってしまうという性質を利用したテクニックです。
- 「閲覧注意」
- 「〇〇な人以外は見ないで下さい」
- 「本当は教えたくない〇〇」
などはカリギュラ効果を利用した例です。
セールスレターではタイトルや見出しにカリギュラ効果を使用することで、読者の興味をそそり最後まで読み進めてもらうことに貢献します。
3.サンクコスト効果
サンクコスト効果とは、時間や労力をかけたものは、途中でやめてしまうのはもったいないという心理を利用したテクニックです。
「〇〇日間無料」はサンクスコストを利用したサービスです。ここまでやったのだから、やめてしまうのはもったいないかなという心理を利用しています。
Web記事でページが細かく分割されており、「次のページへ進む」となっているサイトもサンクス効果を利用しています。こんなにクリックしたのだから最後まで読もうという気にさせます。
セールスレターにおいては、最後まで読んだから、ここでやらなかったらもったいないと思わせるような構成にすることでサンクスコスト効果を利用できます。
セールスレターではありませんが、IQを測ることができる国際IQテストというサイトはサンクコスト効果をうまく利用しています。40問の問題を30分くらいかけて解くのですが、解き終えた後に「結果が知りたいなら、5ユーロかかります。」と表示されます。
最後まで有料だとは一切書かれていないので、「えっお金かかるの」と思いましたが、せっかく30分も時間をかけて解いたのだから、答えを知りたいという気持ちになり600円課金しました。
4.バーナム効果
バーナム効果とは、誰にでも該当するような曖昧で当たり障りのないことを言うことで、自分の気持ちを理解してくれているというような気持ちにさせる心理テクニックです。
バーナム効果の代表的な例が占いです。星座占いや血液型占いは万人に当てはまるような内容を発信することで、人それぞれ占いの内容に当てはまる出来事や経験を自分で見つけて合ったような錯覚を受けます。
例えば、「今日は人間関係で良いことが起きるでしょう」と言われると、普段と変わらない日常でも「〇〇さんが今日は優しかった気がする」「コンビニの店員さんが親切だった」など勝手に当てはまる項目を探してしまうのです。
これはセールスレターにおいてはブレットと呼ばれるパーツでよく使われます。
例:あなたはこんなお悩みありませんか?
- ブログ記事の書き方が分からない
- 副業でライターを始めたい
- パソコン一つでできる仕事に憧れる
悩みを羅列して質問することで、読者に「まさに自分のことだ。」と思われることができます。
料金表示や購入に関する心理学
次は料金表示や商品やサービスの購入に関わる心理テクニックです。料金を安く感じさせたり、購入のハードルを下げる効果が期待できます。
5.アンカリング効果
アンカリング効果とは、最初に提示された数字や条件が基準となり、その後の判断が無意識に左右されてしまうという効果です。
アンカリングはこんなイメージです。
通常価格50,000円 → 今だけ15,000円
よく料金表示が横線で取り消されており、訂正されている場合を見かけます。これはアンカリング効果を利用して料金の基準を上げることで、料金を安く見せるテクニックです。
仕組みを聞くとこんなことで効果あるのと思うかもしれませんが、実際に購買行動を行っている時にアンカリングに遭遇すると絶大な効果を発揮します。
アンカリングはセールスレターや通販番組では以下の様に使用されています。
通常価格50,000円のところを
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さらに、〇月〇〇日までのお申し込みの方に限り
割引価格から、さらに10,000円引きの15,000円でお買い求めいただけます。
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かなりお買い得に感じられるのではないでしょうか。元の料金設定が15,000円だとしても、最初に50,000円と提示されることで50,000円が基準になり、15,000円になるのなら買ってみようとなるわけです。
また通常2,980円のところ、「今なら無料で公開」というような表記も資料請求やメルマガ登録へのハードルを下げるため、ランディングページでリスト取りをする場合も効果的です。
6.ドアインザフェイス
ドアインザフェイスとは、最初に相手が断るであろう大きな頼みごとをして、相手に罪悪感を抱かせることによって、次に出てくる小さな頼みごとを受け入れてもらうという交渉のテクニックです。
ドアインザフェイが有効な理由は、返報性の法則という借りを返したいという心理が働くためです。一度頼みごとを断っているので、また断るのは申し訳ないなという気持ちになるわけです。
セールスレターではアンカリング効果に似ていますが、値引き表示や数量限定と組み合わせて利用できます。
- 最初に高額な商品を提示
- これは買えないなと断る
- 次にお手頃な商品を提示
- さっきは断ったしこれなら買えるから買おう
こんな流れになる訳です。
7.希少性の法則
希少性の法則とは、手に入りづらいものや数が少ないものは、価値が高いと判断してしまう現象のことです。
例えば
- 「数量限定」
- 「先着〇〇名限定」
- 「期間限定」
- 「タイムセール」
などは希少性をアピールした代表的な表現です。おそらくセールスレターではよく見かけるのではないでしょうか。買えなくなってしまうかもしれないから、今買っておこうという心理を与えることができます。
セールスレターにおいてはクロージングでのコンテンツの要素として利用すると効果的です。
商品やサービスの印象を良くするための心理学
最後は商品やサービスの印象を良くするための心理学です。自社の製品やサービスをより良く見せたい時に使えるテクニックです。「料金表示や購入に関する心理学」と相性が良く、組み合わせることで効果を最大限に感じられることでしょう。
8.ハロー効果
ハロー効果とは、ある人物や物事を評価する時に分かりやすい目立つ特徴に引きずられて、その他の特徴まで同じように評価してしまう効果のことです。
広告にイメージの良い、人気のある芸能人を起用するのも、ハロー効果を利用した例です。また芸能人に不倫やトラブルなどの不祥事があるとCMを降板させられてしまうのも、このハロー効果によって商品の印象が落ちるのを防ぐためです。
笑顔のモデルさんや綺麗な画質の写真、清潔感のあるデザインなどもハロー効果を生みます。
9.両面提示の法則
両面提示の法則とは、メリットだけではなく、デメリットも伝えると信頼感、説得力、好感度が高まるというテクニックです。
「この商品はこんなメリットがあります。メリット1、メリット2、メリット3、」とメリットだけを羅列されると本当にこの商品は良いものなのかな?と不信感が生まれます。
不信感が生まれると「商品名 デメリット」で検索するためにセールスレターを離脱されてしまう可能性が生まれます。
そこで両面提示の法則を取り入れると、「この商品は〇〇と比べて料金が高くなりましたが、〇〇と〇〇という新機能により、今までよりも使いやすく生まれ変わりました。」
デメリットもしっかりと伝えることにより、文章の信頼感、説得力、好感度を高めることができるのです。
またデメリットを記載する時は、デメリットが先にくるようにします。デメリット→メリットの順番で書くことでメリットの印象が強くなります。
10.社会的証明の原理(バンドワゴン効果)
社会的証明の原理とは、大勢の人から良い評価を受けているものは、良いものだと思い込んでしまう効果のことです。バンドワゴン効果とも呼ばれます。
多数の行動は、自分が行動に迷った時に基準になります。そのため、「行列の絶えないお店」や「予約半年待ち」など大勢に人気のあるものは、良いものだと思い込んでしまう傾向にあります。
セールスレイターにおいては、「利用者の声」や「今まで1万人に愛用された」「累計売り上げ個数10万個突破」など多くの人が利用しているというアピールをすることで、社会的証明の原理の効果を実感できることでしょう。
11.権威性の法則
権威性の法則とは、人は権威のあるもの、人に従うという性質を利用したテクニックです。特に日本人は権威性に弱い人が多いです。
例えば
- 「医者がおすすめするダイエット方法」
- 「税理士が解説する節税対策」
などは
- 「私のおすすめのダイエット術」
- 「絶対得する節税の豆知識」
と書かれているよりも信頼性が高く感じるのではないでしょうか。
人は権威のある専門家の意見に従いやすくなる傾向にあるのです。ランディングページにおいては、科学的な証拠や研究結果などが紹介されている理由も権威性をアピールするのに効果があります。
セールスレターを作成する時に役立つ11個の心理学
以上、セールスレターのライティングをする時に覚えておきたい11の心理学でした。今回ご紹介した心理学テクニックはセールスレターで役立つものばかりです。
コンバージョン率の高い、効果のあるセールスレターを作成したい方は是非使用してみてください。
- 滑り台効果:文章を読んだ後に、次の文章もつい気になって読んでしまう現象
- カリギュラ効果:人は禁止されるとやりたくなる
- サンクコスト効果:時間や労力をかけたものは、途中でやめてしまうのはもったいないと感じる
- バーナム効果:当たり障りのない内容を言うことで自分の気持ちを理解してくれていると感じる
- アンカリング効果:最初に提示された数字や条件が、その後の判断を無意識に左右する
- ドアインザフェイス:最初に大きな頼みごとをすることで、小さな頼みごとを受け入れやすくなる
- 希少性の法則:手に入りづらいものや数が少ないものは、価値が高いと判断してしまう
- ハロー効果:目立つ特徴に引きずられて、その他の特徴まで同じように評価してしまう
- 両面提示の法則:デメリットも提示することで信頼感、説得力、好感度が高まる
- 社会的証明の原理:大勢が良いと言ったものは良く見える
- 権威性の法則:人は権威のあるもの、人に従いやすくなる
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影響力の武器は、今回ご紹介した心理学の中でも大切な6つに注目して、分かりやすい具体例とともに解説されています。セールスレターやランディングページ、ブログなどで読者を思い通りの行動へと導きたい方はぜひチェックしてみて下さい。