ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングサービスでは、取引が終わった時にお互いを評価する仕組みが導入されています。ランサーズやクラウドワークスの場合は5段階の星で仕事の内容や取引について評価します。
通常、取引に大きな問題がなければ星5を付けるのですが、中には厳しい方や押し間違え、理不尽な判断により、低評価を押されてしまうことも。
先ほど「クラウドワークスで身に覚えのない不当な評価をされてしまった」という趣旨のツイートがタイムラインで回ってきました。
せっかく頑張って星5をキープしていても、納得のできない形で評価を落とされてしまっては、気分が良くないですよね。しかも、評価はプロフィールから誰でも見ることができるため、評価が落ちてしまうと今後の活動にも影響が出てきます。
しかし、低評価を付けられたからといってクライアントに感情的に連絡をしたり、低評価でやり返すのは今後の活動にとってマイナスでしかありませんし、何の解決にも成長にも繋がりません。
そこで、今回はクラウドソーシングで理不尽に低評価を付けられてしまった際の正しい対処法を考えましたので共有します。
もしも、あなたがクラウドソーシングサービスで運悪く低評価を付けらて困っているのであれば、きっと役に立つことでしょう。
まだ、評価に関するトラブルを経験したことがない方も、クラウドソーシングを利用する誰もが起きうることですので、事前に確認しておいて損はないはずです。ぜひ、参考にしてみて下さい。
前提として自分に非がある場合は謝罪をして改善する
まず、今回はあくまでも不当に低評価を付けられてしまった際の対処法です。
- 指定されていた納期を無断で遅れた
- 納品物のクオリティが低かった
- メッセージへのレスポンスが極端に遅かった
- その他、クライアントに非常識な態度を取った
などビジネスとしてあきらかに自分に非があった場合は言い訳をせずに、まずはクライアントに謝罪をして、今後同じミスが起きないように改善するようにしましょう。
基本的に企業は星5を付ける
ランサーズもクラウドワークスもクライアントとワーカーがお互いに評価をする仕組みなので、不当に低評価をつけたらクライアント側も低評価のやり返しを受ける可能性があります。そのため、基本的に問題がなければ星5を選択します。
僕は現在ランサーズもクラウドワークスも星5の評価を保っていますが、不当に低評価をするクライアントには出会ったことがありません。
しかし、これは僕が仕事をするクライアントが企業だからかもしれません。企業の場合は不当に低評価を付けると企業のイメージも悪くなるため、評価は暗黙の了解で星5を付けることでしょう。
そもそも、企業の案件はマニュアルが整っているので、納品物に大きな問題が生じづらいということも考えられます。
しかし、個人のクライアントは違う
企業は基本的に高評価を付けてくれますが、個人のクライアントの場合は事情が違います。クラウドソーシングの仕組みを理解しておらず、悪気なく低評価を押されてしまう可能性がある場合があります。
クラウドソーシング上で企業とのやりとりはBtoBやビジネスパートナーという関係性ですが、個人のクライアントは消費者という感覚を持っていることが少なくありません。
そのため、消費者としてワーカーに過度な期待をしていた場合は、厳しい評価を付けるかもしれません。
個人のクライアントとのすれ違いの理由は以下の通りです。
- 個人のクライアント:低評価を付けられても関係ない
- 一度きりの利用予定の方:少しでもダメなところがあれば4か3として評価
- 初めてクラウドソーシングを利用した方:使い方が分からずに無難な3を選択
上記に当てはまるクライアントは、評価やランクなどを気にせずに思った通りに正直な評価をする可能性が高くなります。(これが本来の使用方法なのですが、ランクや今後の活動に関わるため悪気のない辛辣な評価は正直辛いです。)
ランサーズとクラウドワークスの「理不尽な低評価」に対する見解と対応
まずは不当、不適切な評価に対する各クラウドソーシングサービスの見解について見てみいきます。
ランサーズは返信機能を用いての対応を推奨
ランサーズのよくある質問の「不適切な評価をつけられたので、変更して欲しい」には以下のように記載されていました。
ランサーズでは、不適切な評価をつけられた場合には、返信をしていただきまして主張いただくことでご対応いただくようお願いしております。お手数ですが、返信機能を用いてご対応いただけますようお願いいたします。
※評価されてから14日以内であれば、評価へのご返信が可能です。■変更できるケース
どうしても評価を変更して欲しい場合には、評価をつけた方よりランサーズカスタマーサポート宛にご連絡いただけましたら対応させていただいております。評価がどうしても不適切だと判断した場合には、評価をつけた相手に連絡をしていただきまして話し合いをしてくださいますようお願いいたします。
■ランサーズが評価を変更できない理由
ランサーズは、原則としてランサー様とクライアント様の双方のやりとりをもっていただくサイトでございます。そこでの評価は多くの方が目にし、参考にしていくものですが、それをランサーズが変更していたとしたら、サイト自体の信頼性がなくなってしまいます。
多くの方が、評価はあくまで一方の目線によるものだと認識し、あくまで参考にしているだけのものであると存じます。
不適切な評価をつけられたので、変更して欲しい
不当な評価を付けられたランサーは、評価が入力されてから14日以内に評価にコメントをすることで対応してくださいということです。また、評価を変更する場合はクライアント側からランサーズに連絡することで変更が可能になる場合があるとのことです。
ランサーズとしてはあくまでもランサーとクライアントを繋ぐためのサービスであり、取引には関与できないという立ち位置のようです。少々冷たい対応のように思えましたが、小さなトラブルに全て対応していたらキリがないので正当な判断だと言えます。
【2022年1月6日追伸】(予告)「評価制度」が新しくなります
ランサーズでは、2022年2月頃からこれまでの5段階の評価制度が変更されるようです。低評価と高評価の内訳が可視化されるので、今後は身に覚えのない低評価を付けられてしまっても今後の活動への支障は小さくなりそうです。
① 5段階の総合評価 → 「満足 / 残念」の総合評価(2月上旬予定)
平均点を採用していたため、極端な採点があった場合に大きく影響を受けやすかった5段階を廃止し、「満足 / 残念」の評価を積み上げる方式に変更します。
また、「満足 / 残念」の具体的な事例を掲載し、ユーザーによりブレないよう基準を示します。
(予告)「評価制度」が新しくなります
クラウドワークスは評価を入力後2週間であれば、評価した側から変更ができる
クラウドワークスのよくある質問の「【共通】不当な評価をつけられた場合」にこんな回答がありました。
受けた評価を削除することは原則としてできません。
ただし、評価を入力後2週間以内の場合、評価入力者様の画面からであれば評価内容を修正することは可能です。そのため、不当な評価を受けたと感じられた場合には、
評価者入力者様にメッセージを送っていただき、ご相談くださいますようお願いします。ログイン後、サイト右上の「Eメールマーク」からメッセージをお送りいただけます。
【共通】不当な評価をつけられた場合
クラウドワークスの場合も評価を入力後2週間以内であれば、入力者側(クライアント側)からであれば評価を修正できるようです。クライアントのミスやすれ違いがある場合は、正直に連絡をしてみるのも良いでしょう。
評価に不満を感じた時の正しい対応はクライアントに連絡して交渉すること
上記のまとめですが、2つクラウドソーシングサービスの共通見解は、クライアント側から運営へ申請があれば変更が可能という内容です。こちらから運営に評価に不満があると連絡しても変更はできないので注意が必要です。
そのため、正直にクライアントに評価を変更してほしいと連絡するのが正しい対応でしょう。
以下、例文です。
つきましては、(クラウドワークスの場合:)評価を入力後2週間以内であれば評価の修正ができるため、恐れ入りますが再度評価内容をご検討いただけますと幸いです。(ランサーズの場合:運営へご連絡いただき評価の変更をしていただけますと幸いです。)
もうクライアントと関わりたくもないという方もいるかもしれません。そんな方は直接運営に相談してみるのもアリです。よくある質問を見る限り取り合ってくれる可能性は低そうですが。
念の為、運営への連絡先を載せておきます。
- ランサーズへの連絡先:https://www.lancers.jp/help/support
- クラウドワークスへの連絡先:https://crowdworks.secure.force.com/faq/FaqInquiry
評価を変更することができなかった時にやるべきこと
運営にも、クライアントにも連絡したが変更することはできないと返信が来た場合にやるべきことをまとめました。こちらの作業を正しく行えば、マイナスの評価を取り戻すだけでなく、今後あなたのプロフィールを閲覧する新規のクライアントからの評価を上げることもできることでしょう。
少しのアイディアであなたは理不尽を逆手にとってマイナス評価を強制的にプラスに変えることができるのです。「不当な低評価が今後の活動の妨げになったらどうしよう」という不安はなくなることでしょう。今回はそのジャストアイディアを2つ共有します。
低評価に対応する上で注意する点が2つあります。
- 謙虚な姿勢で誠意を持って対応する:感情的になって、怒りや不満を残しても良いことがありません。その場の感情に任せずに冷静になって謙虚な姿勢で対応しましょう。
- 考えるべきは今後のクライアント:低評価への対応は誰のためなのか?低評価を押したクライアントではありません。低評価が影響してくるのは今後あなたに仕事を頼もうとする新規のクライアントです。目の前のことではなく、先のことを見据えて対応しましょう。
1.低評価に返信コメントをする
クライアントからの低評価が届いたら、こちらも評価を返すことができます。まずはあまりに理不尽な評価だった場合は、新規のクライアントがレビューを見た時に「クライアント側にも問題があったみたいだな」と分かるようにこちらもマイナスの評価をしておきます。
そして、レビューに返信のコメントを書くことができるので、以下のようにコメントしておくと良いでしょう。
具体的には以下の内容を含めると良いでしょう。
- 感謝の挨拶:きちんとありがとうございました。と誠意を伝える。
- レビューに対する正直な感想:レビュー内容に驚いたという内容
- 仕事には誠意を持って取り組んだという趣旨:仕事に誠意を持って取り組んだことを伝える
- (クライアント側の問題点):もしクライアント側に「連絡が遅い」「指示不足」「失礼な態度」などあきらかな問題があれば書き加える。
何度も言いますが、これはあくまでもこれは低評価を付けたクライアントへの対応ではなく、今後あなたのプロフィールを見た人に向けた対応です。
あなたの評価が不当に付けられたということを新規のクライアントに伝える役割があります。くれぐれも感情的にコメントをせずに、誠意を持って対応するようにします。
2.プロフィール欄に低評価の理由を明記する
評価に返信コメントをしたら、プロフィール欄に低評価がある理由を明記しておきます。ここで注意する点は言い訳のようにならないことです。言い訳のように回りくどい表現をすると、プロフィールを見た人は良いイメージを持ちません。
分かりやすくプロフィールのトップに注意書きとして書いておくのが良いでしょう。
プロフィールへの低評価の理由の書き方のサンプル
1件の低評価により総合評価が下がっております。私としてはお取り引きおよび納品物には問題はなかった認識しておりますが、クライアントとのすれ違いにより厳しい評価をいただきました。理不尽だと感じており、運営側にも相談の連絡をいたしまいたが却下されてしまいました。その旨ご理解いただけましたら幸いです。
〜〜以下通常のプロフィールを記載する。〜〜
不当な低評価を事前に避けるためにできること
意図的に不当な低評価をするようなクライアントは仕事を受ける前に、悪意のない勘違いによる低評価は納品後の一手間で事前に避けることができます。
1.仕事をする前にクライアントの評価を確認する
クライアントのプロフィールから過去に発注した仕事の評価を見ることができます。
評価を確認してみて過去の取引でも傲慢なレビューや取引相手から攻撃的な評価、コメントが残っているようであれば、仕事をするのをやめておきましょう。評価が悪いだけではなく、気持ちの良い取引もできない可能性が高いことでしょう。
この評価のやりとりはクライアントを精査する面で大変参考になります。仕事の内容だけに注目せずに発注者は誰かにも目を向けることが大切です。
2.星5が普通であることを事前に伝える
クラウドソーシングサービスを初めて利用される方やオンラインのサービスに慣れていない方は、5段階の評価を見ると以下のような評価軸を持っている方も少なくありません。
- 5=大変満足した
- 4=満足した
- 3=普通
- 2=あまり良くなかった
- 1=問題があった
結果、やりとりに問題がなければ平均的な評価である「3」が選ばれます。こんな悪気のない低評価を避けるために、相手が不慣れなようであれば事前にメッセージで評価についての以下のような連絡をしておくとよいでしょう。
取引終了後にレビュー評価をする項目が表示されます。
もしよろしければレビューを記載していただけますと、今後の活動の励みになります。お手数をおかけしますが何卒よろしくお願いいたします。
評価の標準は3ではなく5が標準となります。
お取り引きに問題がなかった場合は5をご選択下さいませ。
それではまたご縁がございまいたらよろしくお願いいたします。
おわりに
偶然見かけたツイートを元に突然思いついて書いたため、簡単ではありますが僕が思うクラウドソーシングで不当な低評価を付けられてしまった際の対処法でした。
ジャストアイディアではありますが、レビューへのコメントの返信とプロフィールへの注記により、不当なレビュー評価の今後の活動への影響を最小限に抑えることができることでしょう。
それどころか、誠意を持った対応は今後あなたのプロフィールを訪れて、仕事を発注するであろう新規のクライアントに「真剣に仕事に向き合っていて誠実な対応をする人」というプラスのイメージを与えます。
不当なレビューは悔しく、悲しい気持ちになりますが、感情的にならず次のクライアント獲得のために誠意を持った行動を心がけましょう。リモートワークの波により需要が高まっていくであろうクラウドソーシングサービスにて、今後自分にも起きる可能性が十分にある事例だったため記事とさせていただきました。